top.com


About

Stats



saigoofy

稲川淳二に感謝する日がいつか来る。

だいぶ暑くなってきましたので夏になるといつも考える幽霊さんと稲川淳二さんのはなし。

心霊写真なんかに写っている幽霊さんや、暗い洞窟や墓場、洋館などで見かける(私は見ない)幽霊さんは、なぜ皆さん白い着物の用な服を着ていたり、はたまた落ち武者だったり、女の人だと黒くて長い髪の毛だったりするんでしょうか?落ち武者とわかるくらいなら鎧の一つもきているだろうし、その線でいくと死んだ瞬間の服装が死後、反映されるのかしら?だとしたら革ジャンを着た幽霊さんやギャル男ルックな幽霊さん、はたまたサイバー系な幽霊さんやヤクザみたいな格好の幽霊さんなんかも発見されてもいいと思うのです。

「やっべえよ、コンビニ行く途中で死んじゃったからおれ、上下スウェットだよ、とほほ…」
と嘆いている幽霊さんに親切な幽霊さんが
「もし、そこのあなた。死後の世界組合から白い着物の配給がありますよ」
なんて事をしゃべってたりするのかもしれない。単純に考えると戦国時代の人や着物を着ているような昔の人ばかりが幽霊さんになるんじゃなくて、最近の若者だって死んでるんだからソバージュのあたっている人や、ものすごい天然パーマ、はたまたモヒカンの人が幽霊さんになっていてもおかしくない。

僕は幽霊さんは見えないけれど、もしかしたらいるかもしれないな、という風に幽霊さんの事を考えています。そしていまから二年ほど前に、真剣に自分が幽霊さんの仲間入りを果たした時の事を考えた事があって、そのときに、なぜ夏になると稲川淳二は富士の樹海にわざわざ入るのか?という事を考えたのですが、結局のところ行き着いた答えが「稲川淳二の仕事は無限」という恐るべき事実なのです。いったいどういう事なのか?それを以下、記してみます。

この世界で毎日たくさんの人が死んでいて、幽霊になる人とならない人とがいる(と思う)。では、はたしてその両者を振り分ける基準というものは何だろうか?おそらくそれは、死んだ瞬間に自分が死んだ事に気づいていない、もしくは現世に対して、強烈な未練がある、という点ではないかと思います。なぜかと言うと、この世界は基本的に生きている人のために成り立っていて、死んでなお、この世界にいるというのは相当な苦労のはず。自分(幽霊)の姿は周りの人には見えないし、家がある訳じゃないし、あんまり周りのものにさわれなさそうだし。そんなしんどい思いをしてまでこの世に居続ける必要は、満足して生ききった(死んだ)人にはないからです。

で、もしですね、自分がふと、死んでしまったときの事を考えてみてください。しかも突然に死んだものだからこの世に未練たっぷりです。たとえば、恋人に何か大切な事を伝えないといけない、と思っているとする。実はへそくり盗んでたとか冷蔵庫の中のドーナツ勝手に食べたのは猫じゃなくて自分だったとか。ま、内容はともかくなにかメッセージがあるのに、それを伝えずに死んでしまった、心残りだ、強烈な未練だ、とそういう状態で自分が幽霊さんになってしまったとします。

あなたはまず、そのメッセージを伝える相手(恋人)のところへいきます。飛んでいくのか歩いていくのか、電車に乗れるのかは僕にはわかりませんが、とにかくいくのです。そして見事、恋人に会えたとします。さてところで、はったりじゃなくて「マジで」霊感のある人と付き合っていた人が、どれくらいいるでしょうか?普通の恋人なら、幽霊になった自分の姿に気づく訳ありません。もちろん、伝えたい事も伝えられません。まいったな、こりゃ。

あなたは考えます。「そういえば、友達の一人に自称霊感の強い奴がいたな。」あなたはその友人に会いにいきますが、所詮は素人芸。自分に気づいてくれるという保証はありません。さらにもし、自分に気づいたとしても、あなたは死んでまで恋人に伝えたいという大切な事を、その友人に話せますか?答えはノーです、多分。というか絶対気づかないですよ。幽霊になった自分に。霊感があるなんていってる人は95%までがはったりです。

そんなこんなしてるうちにあなたは絶望感に襲われます。伝えたい事が伝えられない、あなたのこの世への未練は大きくなるばかりです。そんなとき、あなたの脳裏に一筋の光が差し込みます。その光の指し示す人物は...稲川淳二!!

そうです、稲川さんなら幽霊になった自分に気づいてくれるだろう、そして自分の言っている事も聞いてくれるはずだ。もしかしたらテレビで流れるかもしれない。それを恋人が見てくれれば…。あなたは稲川淳二に会いにいく決心をします。

しかし、事はそう簡単ではありません。一口に稲川淳二に会う、といっても相手は芸能人。しかも赤の他人です。だいたい東京辺りにすんでそうだな、という予測はできても自宅を見つけるのは至難の業。あなたは関東地方だけで、何人の稲川さんがいるのか数えた事がありますか?日本全国で約2471世帯の稲川さんという名字のお宅があるのですよ?一件一件まわっていたらハワイが日本にくっついてしまいます。

でももしかしたら、稲川淳二さんの家を見つけ出すのは、それほど大変ではないかもしれません。なぜならおそらく淳二さんの家は、同じような考えの、幽霊さんのたまり場になっているだろうと思われるからです。幽霊さん同士の親切な助け合いやコミュニティの存在により、あなたは稲川淳二さんの家を教えてもらう事ができるかもしれません。もしそうなったら、稲川さんの所在地までたどり着く事ができるのはそれほど大変な事ではないと思われます。

ですがそれで淳二さんに話を聞いてもらえるかは別の話。当然そこにはほかの同じような考えの幽霊さんがたくさんいるはずですし、二人以上の(元)人間が集まると自ずとそこにはルールというものが存在します。昔から淳二さんに話を聞いてもらおうとそこで陣取っていた幽霊さんに

「おいおい、新入りよう。お前も淳二さんに何か用事があるんだろうが、ここじゃあ勝手な事はさせねえぜ。俺たちゃよう、もう足掛け三年も淳二さんに話を聞いてもらうためにここで待ってるのさ。」

なんて事を言われるのがオチです。それに、仕事を終えて家に帰ってきた淳二さんに話を聞いてもらえるのかも怪しいところです。

「おいおい、家にまでくるなよ、お前達。私はね、家にいるときくらい幽霊から解放されたいんだよ。さあ、かえったかえった。」

という淳二さんの言葉にも、納得せざるを得ないでしょう。ですが、とある気持ちのよいはれた日に「よし、今日は一つお前達の話を聞いてやろうか…」と、淳二さんが乗り気の日もいづれやってくるかもしれません。しかし先ほどの足掛け三年幽霊達が「待ってました!!」とばかりに話し込み、淳二さんも「はーあ、もう今日はおしまい。」となってしまうのも目に見えています。

あなたは考えます。このままここで待っててもらちがあかない。なぜなら淳二さんはここ(自宅)では私たち(幽霊)の話を聞くつもりは(基本的に)ないし、それに多くの幽霊が既に淳二待ちの列をなしている。あなたは考えます。どこへ行けば淳二に話を聞いてもらえるのか?もしくは淳二でなくとも、どうにか恋人にメッセージを伝えられる可能性のある場所はないものか?そんな場所の条件としては、

1)淳二さんがよく行く場所で
2)生きてる人が少なくて死んでる人が多い
3)しかも(必然的に?)霊的なゆかりのある場所で
4)淳二さんが仕事(心霊関係)で行く場所ならなお良し
そう、もうあなたの行く場所は一つしかありません。その場所とは…青木ヶ原樹海!!!!

もうわかりましたね。要するに樹海というものは霊と淳二、両者のニーズががっちりかみ合った場所なのです。持ちつ持たれつ、間にテレビ局でも挟めばフトコロも潤います。幽霊さん達は樹海に住む事により「いずれ淳二さんが俺たちに会いにきてくれる」という期待を、淳二さんは「夏になったら行くからな(樹海に)」といった、言い方を変えれば年に一回行けばいい的な心の余裕をお互いもつ事ができるのです。お墓参りならぬ樹海参りです。

両者のウラにこういった思惑があるものですから淳二さんがカメラを引き連れて樹海に行こうものならもうお祭り騒ぎです。幽霊サイドにしてみれば淳二さんが自分たちの存在を証明しにきてくれてうれしい→淳二さんに群がる→テレビ的にはたくさんの霊の存在をカメラにとらえる事ができてオイシイ→やっぱり淳二さんと樹海に来たらハズレがないな→という事で毎年毎年、淳二さんはテレビ局と樹海、両方の要望に応え、なおかつ自分もそれで仕事を得る。

こうして稲川淳二と樹海の幽霊さん達、そしてテレビ局との完成されたwin-winな(←よく意味知らない)関係が、今年も来年も続いていくのです。

どうでしょうか?あなたも幽霊さんの仲間入りを果たしたら、まっすぐ青木ヶ原樹海に行ってみてはどうでしょうか。