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saigoofy

craigslistを利用して考えるライフスタイルと「生き方」の可能性

実際にアメリカに住んでcraigslistを頻繁に利用していたのは三年程前なので、ちょっと実体験の情報は古くなるけど、それでもこういった記事を見る限りまだその影響力は衰えていないであろう、それどころかますます勢力を増している(と思う)craigslistとそれにまつわるライフスタイルの話。

craigsllistとは簡単に言うと新聞の三行広告のようなもので、craigslistのサイト上に誰でも求人広告を出せる。サイト内は細かくエリア(主だった北アメリカの街、全州、カナダの主な街、州、オーストラリア、アジアヨーロッパ、南アメリカ、エジプトと北アフリカ、世界の主だった街、例えば東京やアムステルダム、香港など)と求人の種類(多岐にわたる。部屋のレンタルから職探し、チケットの売り買いから不要な家具の売買、盗んだiPodを売りさばくのも、レイブパーティーのボランティアを探すのにも使われる)によって分けられていて、無料。十分なユーザのいるエリア(サンフランシスコベイエリア、ニューヨークからカナダのバンクーバーまで)に出す求人なら新聞広告効果を遥かにしのぐ効果がある。

関西にもcraigslistはあるのだが、まだ十分な人が集まっているとは言えない。基本的にそこでかわされる言語は英語なので日本と言う土地柄か、地元の人が情報収集するのにはあまり適していないと思われがちなのだろう。書き込みにもナイジェリアから大阪に来たアーティストがギャラリーやディレクターとの接触を試みていたりハワイのコーヒー豆配給会社が日本でのビジネスパートナーを捜していたりといわゆる外国人の書き込みが目立つ。のだが、日本人でも辞書を引き引き、craigslistを眺めるのには多大な利益があると思うし、何より、楽しいのだ。

craigslist上では社会によってソートされていない商売や生き方、お金の稼ぎ方をかいま見ることができる。生きていく方法(金を稼ぐ方法)のバリエーションが示されているのである。社会へのアクセスと個人へのフォーカスに役立つ、とも考えても良い。

例を出す。三年前にカナダのバンクーバーのホステルで可憐な二十歳ちょっと過ぎの女の子と出会った。安いホステルは合い部屋二段ベッドが当たり前で彼女は自分と同じベッドの下の段で寝ていた。夜中、自分もその子も眠れなくて少し話をした。彼女はドイツから遊びに来ている、と自己紹介をした。来し方行く末をぱらぱらと話し、ところで明日は何するの?と聞いたら、一日だけカナダ在住ののカメラマンのモデルのバイトして滞在費を稼ぐ、と話してくれた。どうやってその仕事を見つけたの?と聞くとcraigslistで見つけた、と答えてくれた。

サンフランシスコをぶらぶらして、ホステル暮らし(一日15$)から引き上げてアパートを借りてみるか、と思い立ち、とりあえずひと月分だけのルームメイトを探すのもcraigslistで何とかなる。もちろん部屋捜しもcraigslistで何とかなる。これも同時期の話だが、ヘイトアシュベリーのホステルでネットにアクセスし、craigslistで自分の滞在していたホステルの近所にアパートを借りている女性の書き込みを発見した。彼女は二ヶ月ほどヨーロッパに旅行に行くのでその間、部屋を誰かにレンタルしたいとのことだった。彼女と連絡を取り、直接あって話したが、当時の自分があまりにもボロボロの格好をしていたのでホームレスと間違われ、残念ながら部屋は借りられなかったのだが、従来の生活からは考えられない人生へのアプローチである

村上龍の「インザ・ミソ・スープ(amazonへのリンク)」の主人公は、海外で売っている日本の観光誌に一行広告を載せている。日本を訪れる外国人を個人的にナビするアルバイトだ。個人でやっているので少々値は高めだが、風俗やキャバクラなど団体ツアーでは行きそうも無い場所や一人で行くにはノウハウが必要といった場所まで案内する事が出来る。そのアルバイトも、craigslistと少々の英会話力、そして土地勘があれば、今や誰にでも可能だろう。

craigslistの情報は実生活にちゃんと根ざしているし、サンフランシスコベイエリアやウェストオークランドの若くて金のない奴らはちゃんとそういう有益な情報を共有している。ドラッグの売買や自転車の部品の交換、ミシンの処分からルームメイト探しまで様々な目的で利用している。ベイエリアの若い奴でcraigslistを知らない奴は全く頭を使う必要のないくらいの金持ちだけ、というくらい人が集まっている。日本でも、もっと地域に根ざして多くの人がアクセスするようになったら、若くて金がなくてマトモに働かなくてもナントカやっていけるようになると思う。ちなみにオークランドで一緒に暮らした友達のうちの一人の女の子は、craigslistで見つけた顧客とSMプレイをして日々の生活費を稼いでいた。その生活がいつまで続くのかわからないけど、週に二日だけ働き、毎晩酒を飲み、しょっちゅう海外へ旅行している彼女は美しかった。

単純に日本では、ネットの事なんて「別に知らなくてもいいこと」だからそこまで人は集まらないと思うけど、今後、普通に就職して自分の人生を摩耗させたくないと考える若い人たちが増えて来ると、craigslistのようなネット上の有益な情報はちゃんとシェアされていくと思う。べつにcraigslistじゃなくても、人生のバラエティに富んだ人たちが集まるある種のコミュニティとなるような、日々の生活の土台となりうるような強い力を持ったサイトがあれば、もっと人生も楽しくなると思う。

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