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saigoofy

犬になっていなかった自分の幸運

とても晴れていたし自分の服装も気に入っていた。コンビニで端麗グリーンラベルを買い、ゆっくり飲みながらぶらぶらと散歩をしていた。とある家の庭先に鎖で繋がれた犬を見かけた。鎖の長さは60センチほどでその犬はその場にジッと座ってこちらを見ていた。俺もその犬の目をじっと見ていた。

おれは自分がこの犬と入れ替わり、毎日自分の前を通り過ぎる人々に「俺は実は人間だったんだよ、誰か話を聞いてくれよ」と呼びかけ(吠え)続けていたとしたら、こうやって目の前にジッと立ち止まる人間がある日現れたら鎖に繋がれた人生からの脱出の可能性が出てくるだろうな、と考えながらその犬の目を見ていた。

しかしその犬のマインドは俺の中に入って来ているという実感がなく、その犬がその状況から抜け出したがっていると言う確証もなく、端麗グリーンラベルが無くなったのでその犬に「元気でな」といってその場を去った。もし自分があの犬で元人間ならがっかりしているだろうなと思いながら家に帰った。

家に帰ってそうめんを茹でながら、自分が伝えたい事は努力すれば伝えたい人には伝えられる可能性があるという幸せにいる自分を幸運だと思った。自分がもし千歳の岩にでも生まれ変わったとしたら、マクドナルドに勤めている可憐な少女に好きと伝えられる可能性は、ほぼ絶望的だろう。それよりは俺の人生は、ついてる。