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saigoofy

しりとりエッセイ:「すべてを知るもの」


昔、一度神様に会ったことがある。
神様というか、ちょっと違う世界の人だ。
あった瞬間に、
あ、この人は人々が神と呼ぶもののような存在なんだろうな
とわかった。
その人は(人というのか)私たちが今住んでるような世界にいるわけではなくて、
ちょっと違うかんじの場所にいて、もちろん普段は会えない。


魚は、海の外をイメージできない。
陸の上というものは彼らにとって死の世界であって、存在しないも同じことなのだ。
そこで、僕が釣りをしてたとする。
一匹のいわしを引っ掛けて、手元にたぐる。
いわしは突如、死の世界に飛び込むことになる。 無いと思ってた世界をふと垣間見る。
僕がいわしにいう。
ここが地上だ。気づいたかい?海の外にも世界はあるんだよ。
そのまま僕はいわしを逃がす。かれはまた、もといた自分の世界に戻っていく。
彼はその体験を、自分の中で整理し、理解しようと試みる。
かれのともだちにも、話してみる。
「あのさあ、うまく説明できないんだけど、この世界の外側に、
なんかいるんだよ。この前泳いでたら、いきなりぐいっとひっぱられて、
見たことも無い世界にいったんだ。
そこでは息ができなくて(えら呼吸)、とても苦しかったんだけど、
なんか違う生き物が生きてたんだよ。本当だよ」
いわしの友達は言う。
「お前ばかいうなよ。この世界の外なんて行っちまえば、死ぬだけなんだよ。
外の世界なんて見たものは死んでしまうし、そんなところにいっても、 誰も生きてるはず無いじゃないか。」
しょんぼりするいわし。
しかし彼は思う。
理解できないものは実際にいるかもしれない。 そして彼らはどうやってるのかわかんないけど 僕らの理解できない生き方で、どこかで生きているかもしれない。


彼らにとっては、ニンゲン。
僕らにとっては、神さま。
僕が神さまにあったとき、神さまはこういいました。
「おお、お前やっと気づいたな。私の存在に。」